日本人の趣味に関する最新調査データから見るトレンド

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現代社会では、仕事や生活スタイルの変化により、趣味のあり方も大きく変わっています。特に、インターネットやスマートフォンの普及により、これまでとは異なる趣味の形が生まれているのが特徴です。本記事では、2021年以降の日本人の趣味に関する最新の調査データをもとに、現在の傾向や今後の展望を考察します。

1. 「趣味の多様化」と「無趣味」層の増加

2014年と比較して、2021年の男性の趣味は多様化が進み、「ゲーム」や「アニメ/漫画」を趣味とする人が増加しています。一方で、「趣味はない」と答える人も4倍以上に増加しており、無趣味が一つのトレンドとなっています。これは、日常生活の忙しさや、趣味に対する価値観の変化が影響している可能性があります。また、コロナ禍によるライフスタイルの変化も一因となっているかもしれません。
(出典:asmarq.co.jp)

2. 趣味に対する家族の理解の必要性

趣味には「家族の理解が必要」と考える人は約6割にのぼります。特に30~50代の女性では約7割が家族の理解を必要と感じており、趣味と家庭の両立を意識している様子がうかがえます。これは、家庭内での役割や責任が大きな影響を与えている可能性があります。例えば、共働き世帯の増加により、家事や育児の時間が趣味の時間と競合するケースが増えていると考えられます。また、家族と一緒に楽しめる趣味が増えていることも、今後のトレンドとして注目すべき点です。
(出典:asmarq.co.jp)

3. 趣味・娯楽の行動者率

2021年のデータによると、過去1年間に何らかの「趣味・娯楽」を行った人の割合(行動者率)は86.3%で、5年前と比較して0.7ポイントの減少が見られます。特に「カラオケ」や「遊園地、動植物園、水族館などの見物」の行動者率が大幅に低下しています。これは、コロナ禍による外出制限が影響したと考えられます。一方で、自宅で楽しめる趣味(動画配信サービスやオンラインゲームなど)の利用率は上昇している可能性があり、今後もこの傾向が続くと考えられます。
(出典:stat.go.jp)

4. 趣味の種類別行動者率

2021年のデータでは、「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」の行動者率が53.5%で最も高く、次いで「映画館以外での映画鑑賞(テレビ・DVD・パソコンなど)」が52.7%となっています。一方で、「カラオケ」や「遊園地、動植物園、水族館などの見物」の行動者率は大幅に低下しています。これは、エンターテインメントのデジタル化が進んでいることを示しており、オンラインコンテンツの重要性が増していることを反映していると考えられます。また、アウトドア活動やキャンプなど、自然を楽しむ趣味の人気が高まっている点も見逃せません。
(出典:marketingdata.gomez.co.jp)

5. 趣味を持ちたいと考える人の割合

約7割の人が「趣味を持ちたい」と考えており、特に20~30代の女性ではその割合が高くなっています。一方で、趣味を聞かれて困った経験がある人も多く、若年層ほどその傾向が強いことがわかります。これは、情報過多の時代において、選択肢が多すぎることが逆に趣味選びを難しくしているのかもしれません。加えて、経済的な理由や時間の制約が、趣味を始める際の障壁となっていることも考えられます。
(出典:asmarq.co.jp)

まとめ

日本人の趣味に関する調査データをまとめると、趣味の多様化が進んでいる一方で、趣味に割く時間が確保しにくくなっている現状が浮かび上がります。また、無趣味層の増加家族の理解が求められるケースも多く、趣味を持ちたくても実現できていない人が一定数いることも明らかになりました。

今後は、趣味をより楽しめる環境づくりや、時間の使い方を見直すことで、多くの人が趣味を持ちやすくなることが期待されます。また、趣味の選択肢が増える中で、自分に合った趣味を見つけることが重要になってくるでしょう。特に、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッドな趣味の楽しみ方が増えることで、より多くの人が自分に合った趣味を見つける機会を得られるでしょう。

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